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不動産投資コラム

2018/11/28

日本の空き家問題

皆さんこんにちは。
大阪真和エンタープライズの小野です。
今回のコラムを執筆するにあたり本を一冊読みましたので、その中で、へー!と驚いたことを書きます。

日本では2019年7月ごろに「空き家調査」(住宅・土地統計調査、総務省)が公表されるそうですが、その中で空き家率は15%を超え、空き家の総数は1,000万戸の大台を超えるだろうという見込みだそうです。
日本全体で、1,000万戸が空き家です!すごいですね!恐ろしいですね!
ちなみに日本以外の先進国では、ドイツが1%程度、イギリスで3%弱、シンガポールは5%程度、国土の広ーい米国でも11%程度です。

なぜ日本だけずば抜けて空き家率が高いかというと、OECD(経済協力開発機構)に加盟できるレベルの国の多くは「住宅総量目安」、「住宅供給目標」といった指標を持っているのに、日本にはその概念が存在しないからです!
たいていの国では、今後10~15年を見据えてどのくらいの住宅を建設するかといった目安を定め、それに合わせて税制や金融をコントロールしつつ、最終的には各自治体レベルで都市計画を設定し、住宅総量を管理しています。日本の場合そのような目安が一切なく、ただ景気対策としてしか住宅政策を見ていないため、「住宅ローン控除」、「すまい給付金」、「固定資産税減免」といった優遇策によって新築建設促進の過剰な政策が行われているのです。
その結果、空き家の増大が止まらなくなっています。

実はかつては日本にも「住宅供給量の目安」(1966年にできた住宅建設計画法)があったのですが、2006年に同法が廃止された際に「量の目標」も消えてしまいました。

「住宅数の管理」が行われていない理由は、政策の問題というより政治の問題という側面が強いと思われます。住宅総量目安を設定してしまうと、どんなに新築住宅を造りすぎているかが明らかになり各所からの抵抗が強くなります。
また新築建設の業界団体には多くの先輩たちが天下っており、その中で新築住宅建設を抑制するような政策を行うのは容易ではないのだそうです。

しかし、早く総量目安を設定して新築建設を抑制しなければ大変なことが…!

それが「2022年問題」です。

「2022年問題」とは簡単に言えば、92年の「改正生産緑地法」で農地並みの課税を認められた都市内にある大量の農地が、30年後の2022年以降、期限切れで放出されるリスクのことです。様々な方策が打ち出されているものの、後継者不足の問題で20%~30%の農地が不動産市場に出てくる可能性があります。どの土地も、超一等立地とは言えないものの都市内にあり、都区部では練馬、世田谷、杉並、足立、葛飾、江戸川など外周部に集中して分布しています。

このような農地が売りに出される場合、一番ニーズがありそうなのが新築一戸建て建設用地です。
もしもともとの所有者が売らないとしても、多くのケースで相続税対策としてアパートが建ちそうです。なぜなら、日本の税制は更地のまま持っているより、アパートなどの住宅を建てたほうが、相続税評価額が大幅に減額となるからです。
いずれにしても、住宅が大量に建設される可能性が高くなります。

空き家の増大は治安の悪化や近隣の不動産価値の下落など、様々な問題を引き起こします。

政策や法整備が欠かせませんが、一にも二にも不動産投資は立地が大事です。
立地が良く利便性の高い物件であれば、築年数が古くなろうとも場所の人気が高いため、入居者を見つけやすいです。
空室や空き家は、駅から遠く利便性の悪い物件や、郊外、地方に多く見られ、今後もその動向は変わらないものと考えられます。

しっかりと立地を見極めながら投資物件を増やしていかねばいけませんね!

 

(参考資料:「100年マンション」/長嶋修著/日本経済新聞出版社)