不動産投資コラム
2018/12/29
皆様こんにちは。 大阪真和エンタープライズの田村です。
最近お客様から「東京オリンピックが終わったらマンション価格はどうなるのか?」というご質問を多く受けます。 もちろんそれを踏まえて買い時がいつかということです。確かにいろいろなメディアで取り上げられることが多いテーマですね。私自身も「オリンピックが終わったらマンション価格は下がる」という情報をよく目にします。
皆様はどう思われますか? よく考えてみると「オリンピックが終わったらマンション価格が下がる」という情報は非常に曖昧な情報ではないでしょうか。
オリンピックが終わったらといいますが、終わった直後でしょうか?あるいは、その後何年間かを見据えてのことなのでしょうか? マンション価格が下がるというのはどこのマンションでしょうか?都心のマンションでしょうか、地方のマンションでしょうか? さらにいうとどのタイプのマンションでしょうか?ファミリータイプでしょうか、ワンルームでしょうか?
このように、かなり曖昧な部分が多いことは確かです。
マンション経営は世の中の動き・様々な情報から先を見ていかなければなりませんが、しっかりとその情報を精査して正しい判断をするということが最も大切です。
オリンピック後にマンション価格が下がるかどうかという議論にはそれぞれの観点から全く別の論理が展開されています。 一番多い論拠は、オリンピック後は過剰な設備投資や消費者の買い控えなどが起こり、大抵景気が悪くなるのでそれにつられて不動産価格も下がるだろう、という見方です。
この話は正しいのでしょうか?
以下は世界銀行が発表しているオリンピック前後のGDP(国内総生産)の推移をグラフにしたものです。
もちろんオリンピック後に景気が後退した事例もありますが、ほとんどのケースにおいてオリンピック後もGDPは上向いているのが分かります。 このことからも「オリンピック後は景気が悪くなるもの」ということ自体が疑わしい話であるといえるでしょう。 もし景気が後退するということが現実的に考えられるならば、それに対して政府が何らかの対策をとることもまた現実的に考えられます。ただ後退するだけとは、現時点では考えにくいと私は思います。
地域的には、オリンピックに向けて急ピッチで開発やタワーマンション建築が進んでいる豊洲や晴海などの湾岸エリアに関しては、海外からもかなりの投機的マネーが入ってきていることもあり、現状かなり上がっている不動産価格は一時的に値下がりするだろうという見方が大半です。 逆に東京都心のワンルームマンションではその利用者の特性からオリンピックにかかわらず潜在的な需要が変わらないこと、また東京一極集中の構図はしばらく続くであろうという見方から大きな値下がりはないという意見が多くみられます。
建築関係者の立場からは、東日本大震災から続く復興需要に加えてオリンピック関係の建設ラッシュがあり、慢性的な人手不足とそれに伴う人件費の上昇が起こっています。つまりは仕事があっても人手が足りず受注できないという状態ですから、オリンピックが終わったからといってすぐにその状況が改善するわけではありません。人手不足が続き人件費も高い状態が続くのであれば新築のマンション価格が下がるとは考えにくいですし、不動産会社は新築マンションを建設するのにもコストが高く建築できず、金融機関の評価が出易い中古マンションを買い進め、売主で販売するケースが多くある事から築浅の中古マンションも同様に下がるとはいえないでしょう。
そしてもちろん不動産価格を左右するのはオリンピックだけではありません。 近いところでは消費税増税が迫っていますし、銀行金利の動向にも大きく影響されるでしょう。
情報社会といわれる昨今「色んなニュースを見ているし、色んな情報が耳に入ってくる」ことが当たり前のようになってきました。 その中には信じられる根拠のあるものから、まったく根拠のないものまで様々です。
利益・不利益にかかわらず何か情報を得たとき、「どうなるかわからないからとりあえずは様子見をする」というのも一つの選択肢ではありますが、投資には機会損失のリスク、つまり投資をしないことに対するリスクというものがあります。例えば5%の利回りの商品があったとして、投資をしていれば当然5%のリターンが得られますが、迷っていたなどで投資をしなかった場合その5%を得られる機会を失ったことになります。これが機会損失のリスクです。
日ごろからの、とことん調べる・納得がいくまで情報を集める、そういった地道で大変な作業が、機会損失のリスクはもちろん、たくさんのリスクヘッジに繋がっていきます。
特に不動産はその性質上、同じものは二度と出てきません。
まずは、自分が良いと思える物件が出てきたときには迷わず投資できるように万端の準備をしておこう、と心に留めることが不動産投資家としての第一歩といえるでしょう。
大阪真和エンタープライズ
不動産投資コラム
2018/12/29
オリンピックでマンション価格が下がるは嘘!?
皆様こんにちは。
大阪真和エンタープライズの田村です。
最近お客様から「東京オリンピックが終わったらマンション価格はどうなるのか?」というご質問を多く受けます。
もちろんそれを踏まえて買い時がいつかということです。確かにいろいろなメディアで取り上げられることが多いテーマですね。私自身も「オリンピックが終わったらマンション価格は下がる」という情報をよく目にします。
皆様はどう思われますか?
よく考えてみると「オリンピックが終わったらマンション価格が下がる」という情報は非常に曖昧な情報ではないでしょうか。
オリンピックが終わったらといいますが、終わった直後でしょうか?あるいは、その後何年間かを見据えてのことなのでしょうか?
マンション価格が下がるというのはどこのマンションでしょうか?都心のマンションでしょうか、地方のマンションでしょうか?
さらにいうとどのタイプのマンションでしょうか?ファミリータイプでしょうか、ワンルームでしょうか?
このように、かなり曖昧な部分が多いことは確かです。
マンション経営は世の中の動き・様々な情報から先を見ていかなければなりませんが、しっかりとその情報を精査して正しい判断をするということが最も大切です。
オリンピック後にマンション価格が下がるかどうかという議論にはそれぞれの観点から全く別の論理が展開されています。
一番多い論拠は、オリンピック後は過剰な設備投資や消費者の買い控えなどが起こり、大抵景気が悪くなるのでそれにつられて不動産価格も下がるだろう、という見方です。
この話は正しいのでしょうか?
以下は世界銀行が発表しているオリンピック前後のGDP(国内総生産)の推移をグラフにしたものです。
もちろんオリンピック後に景気が後退した事例もありますが、ほとんどのケースにおいてオリンピック後もGDPは上向いているのが分かります。
このことからも「オリンピック後は景気が悪くなるもの」ということ自体が疑わしい話であるといえるでしょう。
もし景気が後退するということが現実的に考えられるならば、それに対して政府が何らかの対策をとることもまた現実的に考えられます。ただ後退するだけとは、現時点では考えにくいと私は思います。
地域的には、オリンピックに向けて急ピッチで開発やタワーマンション建築が進んでいる豊洲や晴海などの湾岸エリアに関しては、海外からもかなりの投機的マネーが入ってきていることもあり、現状かなり上がっている不動産価格は一時的に値下がりするだろうという見方が大半です。
逆に東京都心のワンルームマンションではその利用者の特性からオリンピックにかかわらず潜在的な需要が変わらないこと、また東京一極集中の構図はしばらく続くであろうという見方から大きな値下がりはないという意見が多くみられます。
建築関係者の立場からは、東日本大震災から続く復興需要に加えてオリンピック関係の建設ラッシュがあり、慢性的な人手不足とそれに伴う人件費の上昇が起こっています。つまりは仕事があっても人手が足りず受注できないという状態ですから、オリンピックが終わったからといってすぐにその状況が改善するわけではありません。人手不足が続き人件費も高い状態が続くのであれば新築のマンション価格が下がるとは考えにくいですし、不動産会社は新築マンションを建設するのにもコストが高く建築できず、金融機関の評価が出易い中古マンションを買い進め、売主で販売するケースが多くある事から築浅の中古マンションも同様に下がるとはいえないでしょう。
そしてもちろん不動産価格を左右するのはオリンピックだけではありません。
近いところでは消費税増税が迫っていますし、銀行金利の動向にも大きく影響されるでしょう。
情報社会といわれる昨今「色んなニュースを見ているし、色んな情報が耳に入ってくる」ことが当たり前のようになってきました。
その中には信じられる根拠のあるものから、まったく根拠のないものまで様々です。
利益・不利益にかかわらず何か情報を得たとき、「どうなるかわからないからとりあえずは様子見をする」というのも一つの選択肢ではありますが、投資には機会損失のリスク、つまり投資をしないことに対するリスクというものがあります。例えば5%の利回りの商品があったとして、投資をしていれば当然5%のリターンが得られますが、迷っていたなどで投資をしなかった場合その5%を得られる機会を失ったことになります。これが機会損失のリスクです。
日ごろからの、とことん調べる・納得がいくまで情報を集める、そういった地道で大変な作業が、機会損失のリスクはもちろん、たくさんのリスクヘッジに繋がっていきます。
特に不動産はその性質上、同じものは二度と出てきません。
まずは、自分が良いと思える物件が出てきたときには迷わず投資できるように万端の準備をしておこう、と心に留めることが不動産投資家としての第一歩といえるでしょう。