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不動産投資コラム

2019/04/23

【修繕の詳しいところ…】

皆さんこんにちは。大阪真和エンタープライズの小野です。

 

マンションは経年するとともにさまざまな劣化現象が生じます。これに対して、適切な時期に適切なメンテナンスを施していけば、建物の物理的な耐用年数を飛躍的に伸ばすことができます。((社)日本建築学会は、鉄筋コンクリート造集合住宅の目標耐用年数を、高品質であれば100年以上、普通程度でも60年以上としています。)

 

 マンションに生じる劣化現象には、以下のようなものがあります。

 

【ひび割れ】

コンクリートは、セメントに砂利と砂を加えて水で練ったものを乾燥させたものであるため、乾燥して収縮するとひび割れが生じる先天的な特性を持っています。コンクリートの乾燥がほぼ終了するまでには4~5年を要するとされます。

ひび割れのもっとも一般的なものは、窓などの開口部の上下に口ひげ上に生じます。また、バルコニーや共用廊下、最上階の大庇など、建物本体から突き出して横に長く連続する部位にも、一定間隔で垂直上のひび割れが生じやすいです。ほかにもひび割れはいろいろありますが、ひび割れが出揃うのは工事後5~6年頃で、また、この時点でひび割れ補修をしても再発することが多いため、定期的にメンテナンスをすることが必要です。

【錆び】

鉄筋の発錆は、コンクリートが空気中の二酸化炭素に触れて、次第に中性化していくことによって引き起こされます。中性化の深さは、理論値からすると、入居開始後30年に30ミリまで進行します。(実際の建物ではコンクリートの品質や表面を覆う仕上げ材の透気性の違いによって大きく異なります。)建築基準法及び日本建築学会コンクリート構造設計基準では、コンクリートの中性化の進行から鉄筋を守るために、コンクリートのかぶり厚さを規定しています。

 

建物の構造躯体は物理的に100年以上の耐用年数を持つとしても、建物表層の仕上げ材の寿命はそれよりはるかに短いです。たとえば手すりや玄関扉などの鉄部の表面を保護している塗装は4~6年で塗り替える必要がありますし、外部などの仕上げ塗材の耐用年数も10数年です。また、給水、排水、電気、ガスなどの諸設備は、建物本体の傷み具合とは違った経年劣化を示します。

マンションを計画的に維持保全していくことを前提にして、必要な修繕行為とそれを実施するのに必要な予定修繕費の概算を把握するというところに、長期修繕計画の大きな意義があります。

新築時の長期修繕計画は、その建物に固有する劣化状態を十分に把握できていないので、マンションの標準的な劣化傾向を基準にして計画されます。たとえば屋上防水の改修時期について、新築時の長期修繕計画では、屋上防水層の全面改修を10~12年に設定している例が多いですが、そのような事態は極めてまれで、よほど施工状態が悪い場合に限られます。通常は、アスファルト露出防水で15~18年、防水層の上に保護コンクリートが施されている場合には20~25年が回収時期の目安です。

長期修繕計画は、築4~5年目をめどに見直すのが望ましいといえます。建物が4~5年を経過すると、ひび割れなどのコンクリートの初期劣化現象がおおむね表出してくるので、第一回目の外壁を中心とする大規模修繕工事を何年ごろに実施するのが良いか、おおよそ推定することができます。

 

東京や大阪の投資用物件の場合は、管理総会などに参加しづらく、管理状況についても投げっぱなしになりがちです。弊社ではシイ・アイ・シーがしっかりと各物件の状況を管理しておりますが、各オーナー様もご自身が所有されている物件の修繕計画にたまには目を向けてみてはいかがでしょうか。

 

参考資料:「マンションにいつまで住めるのか」/藤木 良明(著)/平凡社新書